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2025年3月、中国BYDとドローン界の雄DJIがタッグを組み、新たなモビリティの形として発表したのが「Lingyuan(霊鳶)」です。
この「Lingyuan」は、ただのガジェットではありません。
車両とドローンの“融合”という革命的なコンセプトを掲げ、撮影・移動・自動化のすべてを一体化することで、私たちのライフスタイルを根本から変える可能性を秘めています。
「旅行中にもっと簡単に空撮したい…」
「一人旅でもプロ並みの映像を残したい…」
「機材の持ち運びが面倒すぎる…」
こんな悩みを持っていた方にとって、Lingyuanは“未来の相棒”になり得る存在です。
本記事では、Lingyuanがもたらす3つの革新にフォーカスし、ただのニュース紹介では終わらない、独自視点での考察や比較を交えながら、その実力と可能性に迫ります。
ドローン好き、車好き、ガジェット好き…
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Lingyuanとは?中BYDとDJIが手を組んだ最新AIドローンの正体

Lingyuan(霊鳶)とは何か?基本スペックと特徴を解説
「Lingyuan(霊鳶)」とは、DJIと中国の自動車大手BYDが共同開発したAI車載ドローンシステムです。
2025年3月に正式発表され、同時に搭載モデル「方程豹Bao8」も公開されました。
このシステムの最大の特徴は、ドローンが車体に格納されており、自動で離着陸や充電が可能な点にあります。
従来のドローン運用では、専用バッグでの運搬、手動での離陸、着陸場所の確保、バッテリー管理など、多くの手間がかかっていました。
しかし、Lingyuanはその常識を覆します。
ユーザーが運転中でも、アプリ操作で一発起動・撮影・帰還が可能となっており、まさに“スマートモビリティとドローンの融合”と呼ぶにふさわしい設計です。
どんな車種に搭載されるのか?注目のBao8とは
LingyuanはまずBYDの新型SUV「方程豹Bao8」に搭載されて登場しました。
Bao8はアウトドア志向の高いドライバーや、ソロキャンパー向けのタフな電動SUVとして設計されており、「旅先での映像制作」をコンセプトの一つに据えています。
車体の屋根に内蔵された伸縮型のドローンハンガーが大きな特徴で、これにより車内から一切出ることなく、ドローンの展開・収納が完了します。
撮影に特化した旅車という位置づけで、まさに「一人旅×自動撮影×クリエイター」層に刺さる製品です。
DJI×BYDのタッグが実現した理由
ドローン業界No.1のDJIと、EV界の雄BYDの相性
DJIは言わずと知れたドローン市場の世界的リーダーであり、空撮用から産業用まで幅広いラインナップを展開しています。
一方、BYDは電気自動車においてテスラを超える販売台数を記録しており、“EV×AI×モビリティ”という未来志向に強みを持つ企業です。
この両者がタッグを組んだ背景には、「ドローンは空だけではなく、陸の技術と統合されるべきだ」というビジョンがあります。移動中にリアルタイムで空撮ができ、すぐに編集・共有できるような流れは、クリエイター・旅行者・調査業務の現場すべてにメリットがあります。
自動車と空撮が融合する時代背景
近年、アウトドア需要やYouTubeなどの動画コンテンツの拡大に伴い、個人でも高品質な空撮を求めるニーズが急増しています。
しかし、従来のドローンは「準備・飛行・撤収」に時間と労力がかかり、気軽に使えるとは言い難いものでした。
この不便を解決する形で登場したのがLingyuanです。
車両がそのまま発進基地となり、“自動車ドローン”という新ジャンルを生み出しました。
この進化は、今後のモビリティやドローン業界においても大きな転換点になるでしょう。
Lingyuanがもたらす3つの進化とは?

1. 自動離着陸&格納システムによるドローン運用の簡略化
伸縮型ヘリポートと一体化した車体構造の革新
Lingyuan最大の強みは「自動離着陸+収納」が可能な格納機構です。
ユーザーはスマートフォンのアプリまたは車載モニターからワンタップ操作するだけで、ドローンが静かに展開し、指定した高度へと自動で上昇・撮影を開始します。
この“収納一体型”の発想は今までありそうでなかった機能であり、従来のようなランディングパッドの設置やGPSキャリブレーションの時間も不要。
短時間でのフライトと撮影が可能になったことで、使い勝手は飛躍的に向上しました。
2. 高性能AI追尾撮影で“誰でも映画監督”体験
一人旅・ソロキャンプ・撮影業務にも対応
LingyuanにはDJIが培ってきたAIによるオブジェクト認識・追尾技術が搭載されています。
これにより、運転中の車や自転車、歩行者に対しても、自動でフレーミング・追尾・録画を行い、まるで映画のような映像を生成することが可能です。
特に、ソロキャンパーや一人旅のVloggerにとっては革命的。
誰かにカメラを回してもらわなくても、自分自身が主役になれるコンテンツが量産できるようになります。
あえて人の手を介さず、自然と調和した撮影ができる点もポイントです。
3. 車内連携でデータ転送やバッテリー管理もシームレスに
車載モニターとスマホアプリで簡単操作
Lingyuanは物理的な格納だけでなく、デジタル連携も高度に統合されています。
ドローンの映像はリアルタイムで車内ディスプレイに表示され、その場で編集やSNS共有が可能。
また、収録データは車両内ストレージやクラウドにも即保存される仕組みです。
充電に関しても、車の電力供給システムと接続されているため、フライト後は自動で帰還・収納・急速充電まで完了。
バッテリー残量を気にせずに、複数回の飛行が行える点は、日中の長時間撮影でも安心できる仕様です。
【考察】Lingyuanは“旅×撮影”の常識を変えるのか?
従来型ドローンとの大きな違い
Lingyuanの登場は、これまでのドローン活用スタイルに明確な断絶をもたらしました。
従来のドローンは「空撮したい人が、わざわざ用意して、飛ばすもの」。
つまり“目的ありき”のツールであり、旅行や移動といった日常の延長線上に自然と存在するモノではありませんでした。
ところがLingyuanは違います。車に組み込まれ、いつでも起動可能な状態で待機している。
しかも、ドローンを飛ばすための準備や手順は、ほぼ不要です。
この“ついでに飛ばす”という発想が革新的で、従来のドローンの使い方が「イベント」だったのに対し、Lingyuanは「習慣」に昇華します。
特に、撮影をメインにしていないユーザーでも気軽に空撮に触れられる点が大きな違いです。
旅行や移動の一環として自動的に映像が生成され、「残しておいてよかった」と思える体験になる。
ドローンが生活と溶け合う第一歩を示しているのが、Lingyuanなのです。
自動車ドローン市場の未来と課題
AI・IoT技術の進化によって、自動車とドローンの融合は今後さらに加速すると見られています。Lingyuanはその象徴的な第一号ですが、この技術の普及にはいくつかのハードルも存在します。
まず挙げられるのが法規制と飛行ルールの整備です。
現在の日本国内では、都市部や空港周辺、公共エリアなど、ドローンの飛行が制限されるケースが多くあります(参考:国交省 ドローン飛行ルール)。
このため、車と連携した自動空撮がすぐに日本全土で普及するとは限りません。
また、バッテリー技術とAIのリアルタイム認識精度も課題です。
自動車移動中にドローンが安全に追尾・撮影するには、想定外の障害物やGPSロストへの対処が必要になります。
BYDとDJIの連携により一定の水準には達していますが、今後の進化が求められます。
それでも、これまでにない“空からの記録”があたりまえになる時代が近づいているのは間違いありません。
Lingyuanはその“入口”として、確実にユーザー意識の地図を塗り替えつつあります。
「旅のついでに空撮」の時代が来る?
旅行先で「カメラを構える暇がなかった」という経験は、多くの人が持っているはずです。
思い出を記録したい気持ちはあっても、いざその瞬間になると、準備が間に合わない。
Lingyuanは、そうしたタイムラグを解消します。
旅に出かけて、車に乗ったまま。
何も用意しなくても、空からの映像が撮れている。
気づけば“空撮素材が勝手に出来上がっている”という未来が現実になった時、ドローン撮影は特別なスキルではなくなります。
「旅先での空撮」が“プロの映像制作”から“個人の日記”へと移行していく中で、Lingyuanはその中間点をつないでいます。
ドローンを専門的に扱わなくても、誰でも自然な形でクオリティの高い映像を残せる。
その体験こそが、旅の新しい形なのです。
【比較】Lingyuanと他社ドローンとの違いをチェック

DJI単体製品との違いは?
当然ながら、Lingyuanに搭載されているドローンはDJIの技術を基盤としていますが、一般的なDJI製ドローン(例:Mavic 3、Air 3など)とは用途も操作性も大きく異なります。
一般モデルでは、飛行前の準備(キャリブレーションやGPS捕捉)、フライト場所の確保、着陸時の衝突防止など、多くの工程が必要です。
一方Lingyuanは、すべてが「クルマに任せられる」自動化された仕組みが前提。
アプリで「飛ばす」→「撮る」→「帰る」まで、ワンタップで完結する手軽さは、既存製品にはない強みです。
また、撮影シナリオも異なります。
Mavicシリーズは撮影者が操作しながら構図を狙いますが、LingyuanはAIによる追尾・構図自動調整が主軸。
つまり「操作しないで撮れる」ことが価値となっています。
競合他社の車載ドローン構想との比較(例:TeslaのAI連携案)
BYDのハード×DJIのソフトが強すぎる理由
実はLingyuan以前にも、Teslaが車載カメラとAIを用いたドローン的機能を模索していた動きはありました。
しかし、現時点ではまだ構想段階であり、ドローン自体を車体に搭載・展開する仕組みには至っていません。
その点でLingyuanは、「完全実用化」において世界初とも言える画期的な存在です。
BYDが長年培ってきたEVプラットフォームと、DJIのソフトウェア・AI制御技術。この2つの強みが、“実現可能な革新”をもたらしました。
車載ドローンというと、夢物語のように聞こえるかもしれませんが、Lingyuanはすでに市販化されており、リアルに“使える”段階に入っています。
この「使える未来」が今あるという事実が、Lingyuanの他社との差別化ポイントです。
Lingyuanが活躍するシーン別活用例

家族旅行での思い出作りに
旅行の記録といえば、スマホでの写真や動画が定番です。
しかし、実際には
「撮る側が映らない」
「全体を写せない」
「その場での感動が切り取れない」
といったジレンマがあります。
Lingyuanがもたらす最大の価値は、“全員が記録に残る旅”を可能にすることです。
車から自動で離陸し、家族を追尾して撮影。ハンズフリーで思い出が空から記録される体験は、これまでにない新しい旅のスタイルです。
しかも、録画された映像は、車載ディスプレイやスマホでその場で確認・編集ができるため、子どもたちとその日のハイライトを一緒に楽しむといった活用法も生まれます。
何より、誰か一人が“撮影役”に徹する必要がなくなります。Lingyuanが家族全員の自然な姿を記録してくれるからこそ、“参加しながら残せる”という理想的なスタイルが実現するのです。
サーフィン・登山・バイクツーリングなどアクティブな撮影に
海・山・ロードと、アウトドアを好む人々にとって、活動の記録は単なる思い出ではなく、自己表現や仲間との共有コンテンツでもあります。
Lingyuanは、その記録を“自動で・美しく・安全に”行うパートナーとして、一人でもプロ並みの映像制作を可能にします。
登山道での撮影は、重量のある機材を背負うことで疲労が増します。
サーフィンやツーリングでは、ドローンの展開に時間をかけているうちに絶景の瞬間を逃してしまうことも。Lingyuanはこうした課題を根本から解決します。
車で現地へ到着した瞬間からドローンが飛び、自動追尾によって“気づかぬうちに映像が完成している”。
この手軽さが、これまで躊躇していたユーザー層を一気に引き込みます。
不動産撮影や調査業務にも応用可能
Lingyuanの可能性は、レジャー領域だけにとどまりません。
ドローンによる空撮は、すでに不動産業界や点検・測量業務の現場で導入が進んでいます。
しかし、現地での機材設置や飛行操作に時間がかかることがボトルネックでした。
Lingyuanは車両と一体化しているため、現場に着いたその瞬間に飛行が可能。
加えて自動軌道飛行や構図自動最適化など、DJIの持つ産業向け技術を応用した機能も搭載されており、短時間・高精度の記録が可能です。
特に地方の物件紹介や、定期的な設備点検、農地・山林の空撮など、人手や時間を割きづらい業務で活躍します。
プロが操作するほどの訓練がなくても、車からすぐに映像を撮り、共有できるのは、業務効率を圧倒的に高める要素です。
【まとめ】Lingyuanは「一人一機」の時代をつくる

ドローンのある暮らしはここまで来た
わずか数年前まで、ドローンは「操作に慣れた一部の人が使うハイテク機器」でした。
しかし、Lingyuanのような技術が登場したことで、その印象は大きく変わりつつあります。
使い方を覚えるのではなく、ただ“持っていればいい”という手軽さが、圧倒的な普及のきっかけになるでしょう。
かつてカメラが一家に一台、スマホが一人に一台という時代を迎えたように、Lingyuanは「一人一機」のドローン時代の入り口となる存在です。
Lingyuanで広がる“旅と創作”の可能性
私たちが旅に求めるものは、非日常だけではありません。
それを「どのように記録し、誰と共有するか」も、旅の価値の一部です。
Lingyuanは、その記録と共有のプロセスを自動化し、“旅しながら創る”というクリエイティブな楽しみ方を後押ししてくれます。
単に「撮れる」というだけでなく
「自分で編集しやすい」
「家族と一緒に映っている」
「記憶に残る構図が勝手に撮れている」。
このような体験が、旅行の感動をより鮮明に、より長く残してくれます。
将来性を考えた上での導入判断のポイント
Lingyuanは決して“安い買い物”ではありません。
搭載車両とのセットで考えると、100万円以上の出費になるケースもあります。
だからこそ、「何のために導入するのか?」をしっかり見極める必要があります。
もしあなたが、日常的に移動が多い人・アウトドアが好きな人・コンテンツを発信している人・業務で効率化を求めている人なら、Lingyuanは価格以上の価値を生む可能性があります。
また、今後のアップデートや互換性を見越して、“使いながら育てる”ガジェットとして導入を検討するのも一つの視点です。
これまでの常識では「カメラを手にする」ことから始まっていた撮影体験。
Lingyuanは、「ドローンがそばにあること」を当たり前にする、その起点になる一台です。
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